イカのアニサキス確率と安全な食べ方
イカの刺身やイカそうめんが好きなんだけど、イカのアニサキスの確率を考えるとどうしても不安になる……この気持ち、すごくよくわかります。
イカでアニサキスに当たる確率はゼロではないけれど、きちんと対策すれば十分に下げられる確率です。
なぜそう言えるのかというと、イカは種類や産地によって寄生率に違いがあるものの、内臓に寄生していることが多く、冷凍や早めの処理など人の工夫でリスクをコントロールしやすい食材だからです。
また、実際に釣りでイカを捌いてきた経験からも、内臓の処理タイミングや冷凍の有無で安全性が大きく変わることを何度も感じています。
この記事では、その「確率のリアル」と「安全に楽しむための工夫」を釣り人目線でまとめていますので、イカが好きなあなたの不安が少し軽くなるはずです。
- イカにどれくらいの確率でアニサキスがいるかのざっくりした目安
- スルメイカやアオリイカなど種類や産地で変わるアニサキスの確率
- 冷凍や加熱でアニサキスの確率を下げるための具体的なポイント
- アニサキスアレルギーもふくめてイカを安心して楽しむための考え方
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イカに潜むアニサキスの確率

まずは「イカでアニサキスに当たる確率って、だいたいどれくらいなのか」という全体像から整理していきます。
ここでは、イカにアニサキスがどのくらいの割合で寄生しているのかという寄生率の話と、実際に人が食べて発症する確率の話を切り分けながら、釣り人としての肌感もあわせてお伝えしていきます。
イカでアニサキスに当たる確率のざっくりした目安
いきなり結論からいくと、「イカを食べたら必ずアニサキスに当たる」というようなものではありませんが、「そこそこ確率はあるので対策前提で付き合う食材」と考えるのが現実的かなと感じています。
厚生労働省などの情報や各種統計を見ると、アニサキスによる食中毒全体の中で、原因食品としてイカが占める割合は1桁台〜1割前後とされることが多いです。
一方で、東京都の調査ではアニサキス症の推定原因食品としてイカが約13%というデータもあり、サバやサンマなどの青物ほどではないものの、決して無視できるポジションではないことがわかります。
スルメイカなど一部のイカは、魚種別のアニサキス寄生確率の一覧でも15〜40%くらいの中リスク帯に入っていることが多く
「当たるときは当たるし、当たらないときは当たらない」
というのが正直なところです。
ざっくりイメージとしては、イカは「サバほど爆発的ではないけれど、油断していいほど低リスクでもないポジション」くらいの確率帯だと考えておくとバランスが取りやすいかなと思います。
ここで書いている数値はあくまで一般的な目安なので、「絶対こうだ」と決めつけず、イカの種類や産地、鮮度、処理の仕方などとセットで考えるのが大事だと感じています。
イカにアニサキスが見つかる割合と最新データ
もう少し寄生率の話を具体的にしていきます。
魚種別のアニサキス寄生率をまとめた調査の中には、スルメイカの寄生率を「15〜40%、中リスク」としているものがあります。
この数字だけを見るとかなり高く感じますが、ポイントは「どこに寄生しているか」です。
イカの場合、アニサキスは内臓の周りに多く、筋肉(いわゆる身の部分)まで移動している割合は、魚に比べると少なめとされています。
私自身の釣りや捌きの経験でも、スルメイカをまとめて捌いていると、内臓のあたりから白い糸のようなアニサキスが出てくることはときどきありますが、身のど真ん中から出てきたケースはかなりレアです。
ただし、ゼロではありません。
魚もそうですが、イカも死後に時間が経つと内臓から身へ移動することがあるので、鮮度が落ちている個体や、処理が遅れた個体ほどリスクは上がると考えたほうがいいです。
アニサキスは目視できるサイズとはいえ、イカと色が似ていて見つけにくい場合もあります。
紫外線ライトでの検査など、プロ向けの方法もありますが、家庭レベルでは過度に期待しすぎないほうが現実的です。
数字はあくまで調査条件しだいで変わるので、「こういうレンジ感なんだな」というイメージで押さえておくのがおすすめです。
人気のアニサキス発見ツール、YouTubeでもおなじみ津本さんの「津本式アニサキスライト」を紹介しておきます。
アニサキスが気になる方はぜひ。
イカの産地によって変わるアニサキスの確率
同じイカでも、「どこで獲れたか」でアニサキスの確率や寄生している種類が変わる、という話もよく出てきます。
ざっくりいうと、太平洋側と日本海側で、優勢なアニサキスの種類が違うことが指摘されています。
太平洋側では病原性が高いとされるアニサキスシンプレックスというタイプが多く、日本海側や東シナ海側ではアニサキスペグレフィーが多いとされています。
この違いはサバの話で語られることが多いのですが、同じ海域で回遊しているスルメイカなどにも影響してくるので、太平洋側のスルメイカは「当たるときはガツンと当たりやすいエリア」、日本海側のイカは「リスクはあるけど相対的には低め」といったイメージで語られることが多いです。
私のホームは日本海側の釣り場が多いので、体感としても、同じイカでもエリアによって
「よくアニサキスを見つける時期」
「ほとんど見ない年」
がけっこう違うなと感じています。
とはいえ、どの海域でも「ゼロ」とは言えないので、「日本海だから安心」と決めつけてノーガードになるのはおすすめしません。
釣り場情報や漁港めしの記事を見ていると
「このあたりはイカがよく釣れる&食べられるエリアだな」
というのがだんだん見えてくるので、イカ釣りと食べる楽しみをセットで考えたい人は、例えば旭漁港(京都・京丹後)の釣り場情報のような釣り場記事もあわせてチェックしてみるとイメージがわきやすいと思います。
イカの種類やアニサキスの種で発症確率が変わる理由
イカのアニサキスの確率を考えるときに、もう一つ大事なのが「イカの種類」と「アニサキスの種類」の話です。
イカ側でいうと、スルメイカ、アオリイカ、コウイカあたりがよく話題に上がります。
先ほどの寄生率の話でいうと、スルメイカは15〜40%くらいの中リスク帯、一方でアオリイカは「ゼロではないが極めて低い」と紹介されることが多いです。
コウイカについても、「他のイカに比べるとアニサキスは少なめ」とされることが多く、どのイカをメインで食べるかによって、体感のリスクはかなり変わってくると思います。
一方で、アニサキス側の話をすると、アニサキスシンプルックスは人の胃や腸に刺さりやすく、アニサキスペグレフィーは寄生率は高くても実際に発症までいくケースは比較的少ない、という傾向が指摘されています。
つまり
「どのイカに、どのアニサキスが、どのくらいいるか」
で実際の発症確率が変わってくる、というイメージです。
釣りでよくお世話になっているのはスルメイカとアオリイカあたりですが、個人的には
「スルメイカは特に内臓の処理を早めにして生食は一度冷凍を挟む」
「アオリイカは比較的安心だけどゼロとは思わない」
という距離感で付き合っています。
ここまでの話をまとめると
「イカの種類ごとにベースのリスクが違ううえに、海域やアニサキスの種類によっても変わってくるので、確率はあくまで幅を持ったイメージで捉えつつ、処理や食べ方でリスクを下げるのが現実的」
という感じになります。
日常の食シーンで起こりやすいイカとアニサキスの確率パターン
イカとアニサキスの話はどうしても数字が多くなりがちですが、実際の生活シーンで考えると、だいたい次のようなパターンで確率が変わってきます。
スーパーや回転寿司で食べるイカ
回転寿司チェーンやスーパーの刺身コーナーで出てくるイカは、多くの場合、一度冷凍されたものを解凍して使っています。
業務用の冷凍設備はマイナス20度以下で24時間以上など、アニサキスが死滅するとされる条件を満たしていることが前提なので、生きたアニサキスに当たる確率はかなり低いと考えられます。
もちろんゼロとは言い切れませんが、家庭での生食よりはリスクがコントロールされているほうだと思います。
釣ったイカをその場で刺身にする
釣り人あるあるですが、堤防や船の上でイカを捌いてそのまま刺身で食べる、というシチュエーションもあります。
この場合
「死後時間がほとんど経っていないので内臓から身への移動は少ない」
という意味ではメリットがありますが
「冷凍処理をしていないので、もし身にアニサキスがいたらモロに生きた状態で口に入る」
というリスクもあります。
私自身は、子どもと一緒の釣りのときは、現地での生食は控えて、持ち帰ってからしっかり冷凍したうえでイカ刺しにするようにしています。
自宅で買ってきたイカを刺身にする
スーパーの生イカを買ってきて、自宅で捌いて刺身にするケースでは
「どこまで冷凍されていたか」
「解凍品かどうか」
でだいぶ話が変わります。
解凍品と書いてあれば、すでに業務用の冷凍工程を通っている可能性が高いので、寄生率としてはそこまで高くないと思います。
一方で「生」とだけ書いてあるときは、家庭用冷凍庫で冷凍する場合でも、マイナス一八度前後で四八時間以上など、少し長めに時間を取るほうが安心かなと感じます。
どのパターンでも共通しているのは、「生で食べるときは、内臓の処理と冷凍の有無で確率が大きく変わる」ということです。
その場のノリで生食を増やしすぎない、というのも大事なリスクコントロールだと感じています。
イカで気になるアニサキスの確率を理解して安全につなげるヒント

ここからは、イカでアニサキスに当たる確率の裏側にある「数字のギャップ」や「アニサキスのしぶとさ」、そして「冷凍・加熱・アレルギー」の話を整理しながら、実際にどう付き合っていくかを考えていきます。
確率をゼロにすることは難しくても、考え方と行動を変えるだけで、体感のリスクはかなり下げていけると感じています。
行政統計と実際のアニサキス発症確率にある大きな差
アニサキスの確率を調べていると、まず出てくるのが行政の食中毒統計です。
そこでは、毎年報告されているアニサキス症の件数がまとめられていて、最近の傾向としてはアニサキスが食中毒の原因としてかなり上位に来ていることがわかります。
ただ、この統計だけを見ると「思っていたより少ないな」と感じる人もいるかもしれません。
実際には、保健所に届け出が必要な食中毒として扱われていないケースや、病院に行かず自己完結してしまっているケースも多いとされていて、レセプトデータ(診療報酬明細)をもとに推計すると、実際の患者数は公的統計の数十倍に達するという試算も出ています。
つまり、「書類上の確率」と「現場で起きている確率」には大きな差がある、ということです。
釣り人目線でいうと、「身近な周りでも一度は誰かがアニサキスでやられている」くらいの頻度感があるので、統計より体感のほうが高く出ているな、と感じることが多いです。
このギャップを頭の片すみに置きながら、イカの確率の話も「書類上の数字」と「実感としてのリスク」をセットで考えるのが大事かなと思います。
アニサキスがイカの中で生き残りやすい仕組みと確率の背景
次に、「そもそもなんでアニサキスはこんなにしぶといのか」という話も少し触れておきます。
アニサキスは線虫の一種で、胃酸にもある程度耐える力があり、魚やイカの内臓の中でじっとしているだけでなく、死後には筋肉のほうへ移動していく性質があります。
これは、宿主の体の中で生き延びるための戦略でもあり、人間からすると「困った生命力」です。
イカの中でも、内臓をそのままにして長時間放置すると、内臓付近にいたアニサキスが身のほうへ移動してくる可能性が高くなり、その分だけ身を食べたときの確率も上がってしまいます。
逆にいうと、釣ったあとに内臓を早めに抜いておく、というだけでも、一定程度リスクを下げる手助けになります。
ただ、アニサキスの種類によっては、胃酸への強さや組織への侵入力が違うとされていて、太平洋側に多いタイプは特に人への病原性が高いとされています。
「新鮮だから安全」という感覚は、アニサキスに関しては半分くらいしか当てはまらない、というのが現実かなと感じています。
鮮度がいいほど内臓から身への移動は少ないですが、「もともと身に入り込んでいた個体」まで防げるわけではないからです。
このあたりを踏まえて
「イカの処理はできるだけ早く」
「生で食べる前提なら内臓を残さない」
という基本は、釣り人であればぜひ押さえておきたいところです。
冷凍や加熱でアニサキスの確率を下げる効果的な方法
ここからは、一番気になる「どうすれば確率を下げられるのか」という話です。
アニサキスに関しては、冷凍と加熱がもっとも確実な対策とされています。
冷凍でリスクを下げるときの考え方
一般的に、マイナス20度以下で24時間以上の冷凍でアニサキスは死滅するとされています。
業務用の冷凍設備はこの条件を満たす前提で運用されているので、回転寿司やスーパーの解凍品は、この部分でリスクがコントロールされていることが多いです。
一方で、家庭用冷凍庫はマイナス18度前後で温度変動もあるため、「24時間冷凍したから絶対安全」とは言い切れません。
そのため、私の家では、釣ってきたイカを生で食べるときは、マイナス一八度前後で少なくとも四八時間、余裕があれば七二時間くらいは冷凍してから使う、というルールにしています。
ポイントは、「家庭の冷凍庫は業務用よりもパワーが弱い前提で、少し長めに時間をとる」という発想です。
加熱でリスクをゼロに近づける
加熱については、中心温度が60度以上で1分以上、もしくはそれ以上の条件で加熱すればアニサキスは死滅するとされています。
イカフライや炒め物、煮つけなど、しっかり火を通す料理であれば、アニサキスのリスクはかなり低くなります。
逆に、軽く炙る程度や、表面だけ白くした「サッと湯通し」くらいだと、中心部にアニサキスがいた場合は生き残る可能性があるので、そこは頭に入れておいたほうがいいです。
酢や塩、醤油、わさびなどの調味料ではアニサキスは死なない、という点もよく誤解されるところです。
「しめてあるから大丈夫」ではなく、「冷凍か加熱か」で判断するのがおすすめです。
寄生虫対策の基本的な考え方については、太刀魚の記事ですが太刀魚のアニサキスや寄生虫対策をまとめた記事でも触れているので、あわせて読んでもらえるとイメージがより付きやすいと思います。
見落とされやすいアニサキスアレルギーの確率と注意点
アニサキスの話で忘れがちなのが、「アレルギー」の話です。
アニサキスは、虫体そのものが胃や腸に刺さって痛みを起こすだけでなく、アレルゲンとして体に反応を起こすことがあります。
やっかいなのは、アニサキスが加熱や冷凍で死んでいても、アレルゲンそのものは残っている場合がある、という点です。
そのため、一度アニサキスで強いアレルギー反応が出てしまうと、その後は完全に加熱した魚やイカでも、微量なアレルゲンで蕁麻疹や呼吸苦といった症状が出ることがあります。
数としては決して多くはありませんが
「イカを食べると決まって蕁麻疹が出る」
「魚介を食べたあとに何度も似たような症状が出ている」
という人は、一度アレルギー専門の医療機関で相談してみる価値があります。
アニサキスアレルギーは、自己判断で「たぶん大丈夫」と片付けるには少しリスクが大きいテーマなので、気になる場合は早めに医師に相談するのがおすすめです。
記事内で触れている数値や医学的な情報は、あくまで一般的な目安として書いているものなので、正確な情報は厚生労働省などの公式サイトをご確認ください。
最終的な診断や治療、食事制限の判断は、必ず専門の医師に相談して決めてください。
まとめ:イカを食べる前にアニサキスの確率を理解して安心につなげるポイント
最後に、イカとアニサキスの確率の話を、実際の行動につなげるためのポイントとして整理しておきます。
まず大前提としてイカには一定の確率でアニサキスがいるが、冷凍や加熱、内臓処理などの工夫で発症リスクはかなり下げられるというスタンスで付き合うのが現実的だと感じています。
そのうえで、私自身が意識しているのは次のようなポイントです。
- スルメイカは内臓処理をできるだけ早く、生で食べるときは冷凍を挟む
- アオリイカやコウイカはリスクは低めでも「ゼロではない」と思って対応する
- 家庭の冷凍庫では時間に余裕を持って四八〜七二時間くらい冷凍してから刺身にする
- 子どもや体調が不安なときはイカフライや炒め物など加熱メニューを優先する
釣りをしていると
「せっかく釣ったから新鮮なうちに生で食べたい」
という気持ちはすごくよくわかります。
でも、イカとアニサキスの確率の話を知ってからは
「今日の体調」
「一緒に食べる人」
「処理や冷凍にかけられる手間」
も含めて、どういう食べ方を選ぶかを考えるようになりました。
この記事で紹介した数値や目安は、あくまで一般的な情報に過ぎません。
より正確な情報が必要な場合や、体調やアレルギーに不安がある場合は、厚生労働省や各自治体の公式情報、医療機関の案内なども必ずあわせて確認してください。
最後にもう一度だけ大事なことをお伝えしておくと、アニサキスのリスクを理由にイカを完全にあきらめる必要はないと感じています。
イカのアニサキスの確率をざっくり理解して、冷凍や加熱、内臓処理などの基本を押さえておくことで、釣りで釣ったイカも、スーパーで買ったイカも、今までより少し安心して楽しめるはずです。
最終的な判断は、あなた自身と一緒に食卓を囲む家族や友人の体調、医師からのアドバイスもふまえて、無理のない範囲で決めてもらえたらと思います。
